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インターネットEDIにはメール方式が最もふさわしい


インターネットのEDI分野への利用による今後の大きな期待は、現在他方式で稼働している各種EDIをインターネットに移行する事によりよる、より高速で安価なEDIの実現の他に、新しく、
@取引の電子化に参加できなかった中小企業等がこれに参加し易くなる事。
A大手企業にしか利用できなかった、海外EDIや海外データ交換が広く一般企業にまで利用可能になる事。
の2点がであると言えるでしょう。

別稿 ”インターネットEDIに関する弊社の見解と提案”において、ファイル転送型EDIをインターネット経由で行う場合Web型よりもメール方式の方が相応しい理由を述べ、その具体的な提案を行いました。
ここでは、これを更に敷衍する意味で、メール方式EDIの各種利点を箇条書きにして記載致します。
インターネットには各種のプロトコルが存在しますが、中でもメール(SMTP/POP3/IMAP4)方式が、ファイル転送型EDIに最も相応しいと考えるのは下記理由等によります。


  1. 蓄積交換型VANに類似し、端末機器が安価で済む

  2. インターネットのメール方式は、メールサーバーを経由して相手に送られる事から、 形態的には従来からある蓄積交換型VANに極めて類似し、これは以下に記載のように、 ファイル転送型EDIには非常に使いやすい、と昔から言われてきた形態です。
    1. スケジューリングが容易

    2. 送信側と受信側のそれぞれの機器が同時に稼動する必要がなく、従って、相手の業務時間や 休業日等に一切関係なく自社の都合のよい時に通信できるため、双方とも稼動スケジューリングが 極めて容易です。

    3. クライアントのみの投資で済み、ハード・ソフトが安価

    4. 相手先と直接通信する従来型のEDI方式では、同時に複数の相手先と通信する場合、同時並行 (マルチスレッド)処理する非常に複雑な(従って高価な)ソフトが必要、かつ、ハードウェアも ピーク時にあわせた能力のものが必要となります。一方VAN方式では、多くの相手先と通信する場合でも、 基本的には順次処理でよい(複雑な同時通信処理等はVANのサーバーやメールサーバーがやってくれる)ため、 通信設備がハード・ソフトとも安価なもので済みます。

  3. 他のプロトコルと比較して、完成度が高くガードが堅い
    インターネットでファイル転送を行うプロトコルとしてはFTPが代表格です。 しかし、FTPはクライアントとサーバー間通信用元来の仕様であり、One to One 即ち、 クライアント間通信のサービスを行うものではありません。また、外部からの攻撃に対して 脆弱なセキュリティ面も問題点の一つです。
    一方メールプロトコルは、電子メール(即ち One to One )という限られた用途目的で作られていて この範囲では完成度が高く、これまで部分的に弱かった箇所も、SMTP認証、APOP等 セキュリティ強化がなされ、安全性が一層強化されています。
    One to One はそのまま、企業 to 企業のEDIシステムに応用できる訳です。

  4. あらゆる種類のファイルの送受信が可能

  5. メール添付ファイル方式がベースのためこれが可能となります。
    今後のEDIでは、EXCEL,PDF,CSV,XML等のファイルも送受信されるものと思われますが、 これらはもちろん、これ以外のものも当事者同士が自由に決める事ができます。
    このように将来の自由な拡張展開が可能な事、さらにEDIや社内集配信等の事務系の枠を越えた、 他分野への適用展開が可能な方式でもあります。

  6. 業務システムとの連携が容易

  7. メールEDI方式は現在国際標準や国内標準等が出来ていないため一般的に決まったインターフェースは 有りません。弊社では、アプリケーション・プログラム(AP)とメールEDIソフト間で、シンプルで使いやすい インターフェースを規定し、下記2要件を実現しています。
    1. 自動実行

    2. 相手先からの受信データ到着時、AP実行コマンドが設定されていれば、当該APが自動実行されます。 また、AP側で送信すべきデータが出来れば、そのファイルを送信フォルダに入れることにより、当該相手先に自動送信されます。

    3. 送受信ファイルの受け渡し

    4. 受信フォルダ及び送信フォルダを介して、APとEDIソフト間で送受信ファイルが自動受け渡しされます。

  8. 暗号化・復号化が容易

  9. 電子メールにはS/MIMEという暗号化方式が推奨されています。これは公開鍵と共通鍵の両方式の長所を 併用した、絶対安全と言われるほど、非常に強力な暗号化方式で、各ファイル送受信毎に、@データの暗号・復号化、 A改ざん防止、Bなりすまし防止、C送信者認証、の4セキュア処理を実行しています。

  10. 中小企業のEDI参加が可能に

  11. メールやオフィスソフトは誰でも使うツールとなっています。
    中小企業等には一般的に難しいと思われているEDIですが、弊社では別稿 ”インターネットEDIに関する弊社の見解と提案”で記したように、エクセル画面上に注文書を作りこれをメール添付で発注する方式を提唱しています。これにより中小企業でもFAXと同程度のコストと使いやすさのEDIが実現します。

  12. 国際EDIにも最適

  13. 海外の拠点や取引先とのデータ交換は、これまで高価な通信費用を負担して国際VANを 利用したり、国際キャリアの専用線や交換回線を使ったり等、各社各様の方式で 行われてきて、現在もそれが続いています。この分野にインターネットを使わない手はありません。 メール方式EDIはメールの通じるところならば全て国際データ通信費用をゼロにし、国際EDIの標準化にも貢献します。

  14. 既に進行中

  15. ある公的機関が実施したアンケート調査によれば、中小企業でも約4割の企業がメールによる受注を 受けているとの報告があり、メールの添付ファイル方式を使ったEDIはすでに自然発生的に進行している事が伺えます。


以上、メール方式のEDIへの適用は、送信側、受信側双方における自動化の容易性により、小企業から大企業、国内、海外を問わず、全EDIを一つのプロトコルで実現する最もシンプルで効率的な取引環境の実現に寄与することでしょう。
更には、EDIのみならずもっと広く、現在FAX、郵便、運送業者が一部果たしている業務をも吸収して行くなど、大きな可能性を秘めた方式とも言えます。



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